UR(都市整備機構、設立時には日本住宅公団)解体論2012/09/09 07:01

うちの団地の自治会ひら役員に名を連ねているため、昨晩、会議に出てきました。敬老の集い、防犯訓練など住民対象のイベントについて協議したほか、国土交通省がURの高級賃貸住宅を分離、民間売却等する方針を固めた報告および自治会(上部団体である全国自治会協議会等も)はこれに反対していくという大まかな方針が説明されました。

私は旧住宅公団をはじめ旧特殊法人を温存するにはずっと反対。自治会内でたまにはその意見を出すこともあるけれども、40年間団地に住んでここの役員、さらに今では上部団体の幹部を務める会長に、「オレの考えも反映して主張しろ」というのは無理があるようです。UR住民にもこういう考えを持つ人間がいることをここで主張したいな。

私は30頃から自分史をつけているのですが、残念ながら実家を出て一人暮らしを始めた日を記録していません。実家は千葉市で勤務地が日本橋だったので積極的に民間アパートを探すのも面倒で、24歳くらい1981年頃、もしも公団住宅に当たったら独立しようと抽選に応募したと思います。ところが23区内の住宅は家賃2、3万だけど当選倍率は百数十倍または数百倍。数回落選の後、何となく意地になり、当選倍率の低い西船橋からバスを使う団地に当選し入居しました。家賃は4万ちょっと。そこを足掛かりに、江東区・城東と言われる地域の比較的新しい1DK6万弱に1984年入居。相場より安いとは言えないけど敷金・礼金・更新料もなく地の利や環境もまあまあ快適でそれから18年過ごしたのでした。

その間にはバブルもあり、URもより近い木場辺りに1LDK単身可・傾斜家賃で最終的に家賃14万くらいの新築を建て、当時として無理して払えないわけではない、都心からタクシーですぐ、歩けない距離でもないというのはカッコいいではないかと30歳前後の私の心は動かされました。それと同時に、こんな事業体が国の事業として必要かとも思いました。その前から気になっていた、ごく初期に建てた表参道とかカッコいいと言えば超カッコいい立地の団地は相変わらず低家賃・宝くじ並みの倍率なのはどういうことかとも思いました。旧建設省の役人は東大を出てもインフレという概念を学ばなかったのだろうか。

結局、ときどきタクシーで帰っても城東の住宅の方が経済的と18年住みました。その間、6万弱の家賃は周辺の賃貸マンションと大差なくなっていました。そこを出たのは親父と同居するほかに理由もあったのだけど、引っ越すのはもったいなかった。その頃、近所の木賃アパートに住む飲み仲間が大腸がんを患い人口肛門になってしまい風呂付の部屋に住みたがっていたため、よっぽど又貸しをしてやろうかと思いましたが、後のトラブルを恐れてやめました。余談ながら、その人は近所の人や福祉関係者の助力もあってか数ヵ月後その団地に入居し、その後他界しました。

そして、親父と民間賃貸住宅で2年間居住をし、更新時期を迎えた2004年春、近所の地下鉄駅最寄りの団地前を通ったとき「先着順」という看板を見たのです。「先着順ってどういうことだ?こんな利便性の高いところ数百倍の倍率だったろうに」と思って聞きに行き内覧もしてみると、内部は今日的な洋風にリニューアルされています。家賃10.4万円。そこに住んでもう8年にもなりました。

住んでわかるのは、古い室と新しい室では設備と家賃が違う。たとえば私たちの部屋は風呂も台所も独立した給湯器があるのに、古い室では風呂はガチャガチャと火花を起こして焚き、台所は自分で購入して入れるのかな。古い人の家賃は聞けない。7~7.5万円くらいか、低所得者優遇制度もあるから、さらに低い人もいるでしょう。もし私が一人暮らしで寝に帰ってくるだけなら、設備よりも家賃が安い方がいいな。

リニューアルしていない、つまり古くからの居住者の室はドアノブや表札プレートでわかります。そういう居室に40前後の人が住んでいるのを見て「かわいそうに。当初入居した親は早くして死んじゃったんだ」と思っていて、近隣の人に口にしたら「何を言ってるの。親は近所にマンションを買って住んでるのよ」と言われることがあります。近所の独居だったおばあさんは娘が施設に入れ、もう1年くらい不在のまま借りっぱなし。団地2世でなければ、この辺で7万円台の風呂付2DKには住めない。住む場所に困っている人もいるのに、親のことを先送りにしてかつての実家は低家賃をいいことにトランクルーム状態。

さらに、今回、役所側から出た高級賃貸住宅分離の方針。URは晴海に家賃30万円前後のタワーマンションが建てていますよ。この事業体のやっていることの、どこが住宅セーフティネットですか。

さらに自治会が一貫して唱えているのは、URに国費は投入されていないということ。投入されていますよ。利子補給金というものが。小泉改革で郵便貯金を旧特殊法人に投入しないことになり、旧特殊法人は債券を発行できるようになったはずだけど、じゃあ郵便貯金はどこで運用しているの?また、あなたが銀行や証券会社に行って「UR債を買いたい」と言って売ってくれるの?まあ億円単位なら売ってくれるかも知れないけど。つまり旧特殊法人の借金を国民の預貯金で賄い、利子分に対し補給金を出す、この構造は変わっていないはず。かつて「市中金利より高い財政投融資を借りて利子を払っているのだから差額を返してもらって当然」と語った自治会トップがいた(この人は賃借人の利益代表なのかURの利益代表なのか)。なるほど。見方によっては預貯金を持つ国民に国費を利子として返していると言えなくもありません。でも、預貯金のない人は?そんな金は預貯金もない住宅困窮者に渡すべきではないですか。

公団住宅の自治会協議会なるものの責任ある方、まあ気づいてもらえないか黙殺されるかと思うが、よかったらコメントをどうぞ。

また、書いたことにあまり間違いがないとすれば、行革推進論者に「UR住民にもこう言っている人がいる」と援用していただいて構いません。